

「経営者の時間は、一番の経営リソース」。Relic CEOが移動に投資する理由
2015年の創業以来、「イノベーションの民主化」を掲げ、起業家・社内起業家・事業承継者といった挑戦者の事業創造を支援してきた株式会社Relic。現在はグループ28社を擁し、全国に事業を展開しています。
全国18都道府県に実拠点を構え、社員の約3分の1が地方勤務という同社。その経営を率いる北嶋 貴朗さまは、日々の移動の多くにタクシーを利用しています。その背景にあるのが、「経営者の時間こそ、一番の経営リソース」という考え方です。
『GO BUSINESS』の導入により、経費精算の負担が軽減されただけでなく、移動時間そのものを経営に活かす環境が整いました。代表取締役CEO / Founderの北嶋 貴朗さまに、その考え方と手応えを伺いました。
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課題
- 会社の拡大にともない拠点や取引口座が増え、経営スピードと現場の対応リソースに乖離が生じていた
- タクシーは個人の『GO』アプリで手配し、コーポレートカードで決済・経費精算する運用で、領収書の保管・提出や経理側の処理に負担が発生していた
実施策
- 経営管理の仕組み化の一環として『GO BUSINESS』を導入し、タクシー利用分を請求書払いに移行した
- 役員など複数名での移動時に『GO PREMIUM』を活用し、移動時間を会議の場として有効活用
効果
- タクシーに関わる経費精算・経理業務が、感覚値で約7割削減された
- 業務上の移動でタクシーを活用しやすくなり、移動時間を会議や作業に充てる場面が増えた
- 移動を「投資」として位置づけられるようになり、意思決定のスピードにも寄与している
経営者の時間は「一番の経営リソース」。何に使い、何に使わないか
はじめに、Relicグループの事業について教えてください。
北嶋さま Relicグループは、Relicホールディングスを持株会社としたグループ会社体制で、現在28社あります(取材時点)。もともとはRelic単体で創業しましたが、2021年からホールディングス体制に移行しました。さまざまな企業とのジョイントベンチャーや子会社、スタートアップスタジオも含め、自分たちで様々な会社や事業をつくりやすい設計にしたという背景があります。
中核事業会社であるRelicのお客さまは、大きく三者です。起業家の方、社内起業家の方、そして地方の中堅・中小企業で事業承継に取り組む二代目・三代目の経営者の方。社内ではそれぞれをアントレプレナー、イントレプレナー、ネクストプレナーと呼んでいます。新しい事業を生み出そうとする挑戦者の課題をすべて解決し、日本中でもっと挑戦が起きるようにしていく。私たちはこれを、「イノベーションの民主化」と表現しています。
直近では、どのような領域に注力していますか?
北嶋さま 創業10周年を迎え、会社としての土台が固まってきたなかで、現在は海外市場で成長できる事業づくりに力を入れています。
特に注目しているのが、食や観光、素材などのディープテック、フィジカルAI、IPコンテンツ/エンタメなど、日本ならではの強みを活かせるリアルな領域とAIなどのデジタル技術の掛け合わせです。こうした領域で、海外からの売上につながる事業を生み出していきたいと考えています。
全国に拠点があるということですが、日々どのように時間を使っていますか?
北嶋さま 大きく分けると、グループ会社の経営管理・経営支援が全体の2割ほどです。基本的には各社の社長に経営を任せているため、月1回の株主定例会をベースに社長たちと共に経営しているイメージです。3割ほどがRelic本体の採用です。どこまでいっても私たちの事業は人材が命ですから、面接もリファラルでのリクルーティングも自分で動いています。
残りの5割が既存事業のマネジメントや大型のアライアンス、出資、M&A、そして新規事業のための時間です。
1日のスケジュールも気になります。
北嶋さま そこまで特別ではありませんよ?(笑)
1日で言えば、起床は6時半。子どもが3人いるので、朝は送迎などで2時間ほど家族との時間にあてています。それ以外に、毎朝1時間は運動する時間を取っています。日中は会社と出先を3〜4往復し、夜は会食が多いですね。
22時頃には帰宅し、そのあと社員の日報を読んでコメントを返したり、残務を片付けたりしてから寝るという流れです。
1日中忙しく過ごしている印象ですが、「時間」というものをどのように捉えていますか?
北嶋さま 当社はまだベンチャーのような規模ですから、代表であり創業者である自分の時間が、一番の経営リソースだと思っています。経営者の時間はそもそも経営資源であり、会社にとっての競争力にならなければいけない。そこはすごく意識していますね。
ですから自分の時間は、なるべく経営インパクトが大きく、かつ不可逆な意思決定や営業・交渉などに使おうと決めているんです。一度決めたら数年は腰を据えて進まなければいけない類のものは、自分が責任を持って決めなければいけない。逆にすぐ方向転換できるものは、現場で判断してもらっていいと考えています。
会社が大きくなるなかで、ご自身が現場に入りすぎないことも意識されているのでしょうか?
北嶋さま そうですね。創業当初は、自分もプレイヤーとしてコストを削りながら寝ずに働くのが一番いいという判断だったと思います。しかし今の規模で私がそれをやっていても、頑張っている一人のプレイヤーがいるだけで会社としては大きなインパクトにつながりません。
プレイヤーとして社員の何倍もの成果を出せたとしても、経営者の仕事としてそれが正しいわけではない。会社が大きくなるほど、レバレッジの効いた時間の使い方を意識するようになりました。
電車をやめた理由と「移動する会議室」という発想
移動にタクシーを使うようになったきっかけは何だったのでしょうか?
北嶋さま コロナ禍で衛生観念が高まったというのが一つですが、以前からタクシー以外の移動自体が経営者としてリスクがあると感じていました。風邪やインフルエンザにかかるのも避けたいですし、思わぬトラブルに遭遇する可能性もあります。
今の立場で何かあれば、経営そのものが止まってしまう。そう考えてからは、極力タクシーを使うようになりました。
どのくらいの頻度でタクシーを利用していますか?
北嶋さま 平均で1日3〜4回、多いときはもっと乗っていると思います。10分圏内なら自転車で行くこともありますが、複数名で移動するときは基本的にタクシーですね。
乗車中はどのように過ごしていますか?
北嶋さま 会議が圧倒的に多いです。タクシーの移動中は快適で、自分のなかでは「移動する会議室」だと思っています。インターネット回線につながらないという心配もなく、ちょっとした作業もできれば仮眠を取ることもできる。タクシーならではの利便性があります。
タクシー乗車中の会議で、新会社の設立が決まったこともあります。役員全員で会食に行く際にプレミアム車両を指定して呼べる『GO PREMIUM』を利用し、4人で経営会議をしながら向かっている道中で決定されました。タクシーの移動中に1on1をすることも珍しくなく、その中で何らかの方針が定まることは非常に多いです。
全国に拠点があるとなると、地方への出張も多いのではないでしょうか?
北嶋さま 出張は多くて月に4回ほどあります。出張先でも、基本的に『GO BUSINESS』を利用していますし、手配できずに困ったことはあまりありません。
経営管理の仕組み化の一環として。導入を提案したのは経理だった
『GO BUSINESS』を導入したきっかけを教えてください。
北嶋さま 経営管理の仕組みを整える過程で導入しました。創業当初、まだ会社の規模が小さかった頃は、領収書を各所で保管しておき、まとめて経費精算するといった初歩的な運用でした。しかし会社が大きくなり、地方拠点や取引先の口座が増えてくると、昔のように経営陣が細かい経費精算や口座の動きをすべて見るわけにはいかなくなります。
バックオフィス部門に任せるようにした当初は仕組みが未整備で、経営が現場の数字をリアルタイムに把握することが難しくなってしまいました。「思ったよりこの事業やプロジェクトは採算が悪いな」「こんなところに無駄なコストをかけていたのか」ということが増えてきたんです。
そこで、全社的に経営管理の仕組みを刷新しました。コーポレートカードを統一して会計システムと連携させ、プロジェクトコードの運用ルールも決めることで、一定のスピードと精度で管理会計の数字が出るようにしたんです。
その際、経理担当から「『GO BUSINESS』にしたい」という申し出がありました。それまでは個人の『GO』アプリを利用していましたが、『GO BUSINESS』にすれば請求書払いになるため、経理は請求書だけを処理すればよくなります。断る理由もないため、「ぜひ導入しよう」と即決しました。
導入後、どのような変化がありましたか?
北嶋さま 私自身は、自分で領収書をまとめて提出する必要がなくなりました。経理側の業務も簡略化して、タクシーに関わる経費精算や経理業務については、感覚値ですが7割ほど楽になったと思います。
また、会社として正式に契約しているサービスになり、経費精算や経理業務が楽になったことで、よりタクシーを利用しやすくなりました。実際に乗る回数も増え、移動時間をうまく活用できる場面も増えたと思います。
「使った分以上の成果を出す」。移動への投資が経営に返るまで
タクシー移動は便利な反面、どうしても移動のコストが増えてしまいます。この点については、どう考えていますか?
北嶋さま 確かに移動コストは増えますが、それによって得られるもののほうが圧倒的に大きいと考えています。極端な話、移動中の時間を捻出できて対応できる商談が増えることで、そこから成約が1件でも増えれば、交通費をはるかに上回る利益が得られますよね。
無駄なコストはかけないに越したことはありませんが、私の感覚としてタクシー移動は設備投資に近い存在です。きちんと投資して、それ以上の成果を出す。そうしたスタンスのほうが、経営者としては健全だと捉えています。
こうした部分でコスパを意識しすぎてしまうと、「投資に見合う成果を出さなければ」という力学が働かなくなる気がするんです。コストを削ればリスクは減りますが、同時に「このままでいい」と考え、ディフェンシブな動きになってしまいます。役員にも日々、「タクシー代はもったいないので電車を使う」と考えるのではなく、「使った分以上のリターンを出す」という姿勢が大事だと伝えています。
その言葉に、Relic社の姿勢が現れていると感じます。今後、会社としてどのような状態を目指していますか?
北嶋さま 理想的な組織のあり方は、「全員事業家集団」です。当社は挑戦者の事業創造を支援・共創する会社ですから、社員自身も事業家であるべきだと考えています。
全員が何かしらの事業のCxOとしてミッションを持ち、その達成のために予算と時間の使い方を自分で決める。会社がルールをつくってそのとおりに従うのではなく、各事業部やプロダクトごとに裁量を持ち、社員自身が意思決定していく。それが当たり前の組織を目指したいです。
とてもワクワクする未来像ですね。最後に、時間価値を重視する経営者やビジネスパーソンへメッセージをお願いします。
北嶋さま 会社の代表や創業者、オーナーの方々は、その人自体が競争力の源泉であることが多いと思います。ベンチャー企業はなおさら、その傾向が強いでしょう。
だからこそ、「自分に与えられた24時間はもっとも大きな経営資源」と捉えて、その時間の価値を最大化することにコミットするという自覚を持つべきだと思います。
大前研一さんの言葉で、「人が変わるには、住む場所、付き合う人、時間の使い方を変えるしかない」という趣旨のお話があります。会社をもっと大きく成長させたい、企業価値を高めたいという意思があるなら、移動にストレスをかけている場合ではない。逆に言えば、移動時間のストレスをなくすことは自分の時間を拡張し、可能性を最大化することにつながります。
ぜひ、移動に対して適切に投資をかけ、投資した分以上の成果を出すという覚悟で経営に臨んでいくのも一つの考え方として良いのではないでしょうか。

株式会社Relicは、「イノベーションの民主化」を掲げ、起業家・社内起業家・事業承継者など、新たな事業創造に挑む人々を支援・共創しています。新規事業開発や事業共創を通じて、日本中でより多くの挑戦が生まれる社会の実現に取り組んでいます。
コーポレートサイト:https://relic.co.jp/
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